那賀川を行く
下流から一つ目のダム(川口ダム
今日は新聞赤旗(日曜版)を木頭まで届ける日でした。那賀川上流に向かって走るのですが、3つのダム湖の側を通ります。常に水が動かないためか濁り不自然な緑色の水です。ダムのない牟岐町で育った僕にとって川の底が見えない事がとても気になります。自然をコントロールするために作ったコンクリートの構造物は、自然を壊してしまっている。もう一つ気になるのが山は緑ですが、杉ばかりと言う事です。国策で杉を植えまくったからです。「杉は根が張らないので貯水力がない、緑の砂漠だ」那賀町議の大沢さんはそう言います。牡蠣の生産地は海を肥えさせるには山からだと山の環境から考えます。杉は針葉樹林なので落ち葉は腐葉土にならず、山は痩せる一方です。漁獲量が年々減っているのは当然の事です。海と山は一体です。自然のダムをなくし、コンクリート構造物のダムをつくった結果、水質は悪化。かつては澄んだ川だったはず。
二つ目のダム長安口ダムのダム湖に架かる橋、腐りかけていてスリルのある橋
- ダムのメリット:水力発電、干ばつ対策、
- デメリット :放流の判断を間違うと水害が起こる、水質悪化、景観を損なう。
3つ目の小見野々ダムと杉ばかりの山
那賀川はかつて暴れ川と呼ばれ龍神の怒りを鎮める為に、村娘を生贄に捧げたという昔話が残る川です。
ダムは大量に水を貯める物です。人間の予想を超えない雨量ならコントロールできるかもしれません。しかし人間の予想を超えた雨が降るとコントロールどころか暴れ川に姿を変えることもあります。自然をコントロールしようとは人間の驕りです。便利さと引き換えに那賀川が失ったものは大きいように思えてなりません。
小見野々ダム上流、昔の川底は遥か下だったそうだ。今は土が堆積してしまっている